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WORLD CELLストーリー概要

■ ストーリー概要

第二次世界大戦,カンチャナブリ(タイ)のクアイ川で働く1万人もの橋大工の命が奪われた.彼らの架けた鉄橋を渡って運ばれた物は1万人の死に値するものでは無かった.
橋大工KINGは,世界の感覚細胞「WORLD CELL」がこの無益な死を「世界の経験ログ」へと記録し,世界の運行様式として採用されるのを防がなければならないと考えた.
橋大工でありながら,捕虜兵であったKINGは脱走し,その手でWORLD CELLを停止させた.
目的を達成したKINGは,行くあてもなく荒野を放浪し,謎の存在クアイト・ゼロに拾われる.KINGはクアイト・ゼロから,これからの一生を利他的に働く世界の庭師として生きるように命じられた.

庭師KINGは第二次世界大戦によって破損したWORLD CELLの復旧に着手する.50年後のメンテナンスを待ちながら,WORLD CELLは活動を再開した.

…そして,50年の歳月が流れた.

WORLD CELLのメンテナンスは間近に迫っている.しかし,庭師KINGは働きすぎでストレスを抱えていた.彼の苦労とは裏腹にWORLD CELLはメンテナンスを待たずに停止してしまう.WORLD CELLの停止によってこの世に蔓延し始めた「存在麻痺」が, いち早く彼を襲い,庭師KINGは倒れた.
WORLD CELLを動かさなければ世界中を存在麻痺が襲うだろう.庭師KINGは現状の世界観や現実感を憂いている.その日,二度目に襲ったパニック障害で,彼は再び荒野に崩れ落ちた.

庭師KINGは衰弱し,心電図には不整脈も検出されている.彼は働き詰めのストレスで死ぬのか….

KING,もう少しの辛抱だ.50年前にWORLD CELLを停止させた祖父の名に賭けて,ヒラサワがWORLD CELLを修復する.

橋大工ヒラサワは「救済する橋のギルド」とともに立ち上がった. 全ての谷と河に橋を架けるべく,彼は世界中に点在するギルドのメンバー達に救援を要請し,WORLD CELLの有る地の果てへと旅立つ.
そして,もう一つの集団がヒラサワの元に集結した.彼らは後にヒラサワから「応援する橋のギルド」と呼ばれる集団であった.PHASE-1からPHASE-5までの扉が順に開かれた….

一方,庭師KINGは死んだ1万人の橋大工達の夢を見ていた.誤った歴史,そして事実は,二度と元には戻らないのだろうか….
そんな時,クアイト・ゼロの使い「女神JEHM」が,ナーシサス次元から彼の枕元に現れた.
彼女は庭師KINGを起こし,MOTHERの元へと連れていく.

「救済する橋のギルド」のメンバーは,次々と橋をかけた.「応援する橋のギルド」のメンバーはその作業を助けた.存在麻痺をもたらすデジタル・ホルモン「イレーサー」が,橋を消去するアクシデントもあったが,ヒラサワが撃退した.
彼らはWORLD CELLへ順調に歩を進めている.

クアイト・ゼロの目的はなにか.
WORLD CELLが停止したのは,WORLD CELL自身が50年間記録し続けた経験ログを解析し,必要な情報のみ引き出し,次世代WORLD CELLを造るためであった.
つまり,WORLD CELLは「一定期間経験ログを確保すると,自身を死滅させ,有益な情報のみで新たなWORLD CELLを作り出す」という死滅プログラムで運行していたのである.
そしてこの死滅プログラムはクアイト・ゼロの手によって庭師KINGにも適用されていた.
つまり,WORLD CELLと庭師KINGのログがMIXされ,不利益なログは両者の死滅とともに抹消されるはずである.そして新世代WORLD CELLの始動とともに新たな世界様式「PHASE-6」が誕生するのだ.

庭師KINGは瀕死の状態であった.もし応援するギルドのメンバーが彼を助けることができるなら,MOTHERは「生の種(LIFE SEED)」を降らすだろう.そうでなければ「死の種」が降る.
その時「MOON TIME」が流れ,世界は新しい一歩を踏み出す.

もし,庭師KINGがLIFE SEEDによって一命を取り止めたなら,WORLD CELLは死滅プログラムを作動することなく,オリジナルの経験ログ,すなわち無益な情報を含む経験ログを抱えたまま作動し,同じことを繰り返すだろう.

再び庭師KINGが荒野に崩れ落ちるまで….

■ 考察

1. 庭師KING
KINGの当初の望みは「無益な死を世界の運行様式として採用されるのを防ぐ」ことであった.彼の夢を見てもわかる通り,彼は1万人の橋大工の無益な死に最も心を痛めていた.
おそらく,一万人の橋大工の死にとどまらず,第二次世界大戦による無益な死は「PHASE-6」では切り捨てられるだろう.それがKINGの望みではないか?
無益なログを排除した次世代WORLD CELLによって誕生した「PHASE-6」は,1万人の橋大工は無益に死ぬことがない世界であろう.戦争のない世界.それが「PHASE-6」なのだろうか.
そして,例えばその世界の誕生はKING自身の命に値することだったのかもしれない….

2. WORLD CELLと存在麻痺
同じ死滅プログラムを適用されている「WORLD CELL」と「庭師KING」はある意味「一心同体」なのだろう.よって「WORLD CELLが停止すれば庭師KINGも倒れ」,「庭師KINGが復活すれば,WORLD CELLも自身を死滅できずに,現世代WORLD CELLを再起動した」のだと想像できる.
「PHASE-5」から「PHASE-6」に移行する時にWORLD CELLと庭師KINGが死滅するのはわかるが,他のモノ,つまりPHASE-5で生活する人々等の「存在」はどうなるのだろうか?「麻痺」するのではないか?つまりPHASE-5の存在自体が麻痺し,消滅する.それに敏感に反応したのが庭師KINGなのだろう.
「存在麻痺」とは,次世代PHASEをインストールするための「現世代PHASEをアンインストールする仕組み」ではないかと想像する.

3. 死の鉄道
「カンチャナブリのクアイ川」と聞いて,ピンときた方もいるはず(私はこなかったが,嫁に教わった).「クアイ川の橋」と言えば,映画「戦場にかける橋」で有名になった橋である.
日本軍は第二次世界大戦中,ビルマへの陸上輸送のためにタイ西部の山岳地帯を横断する泰緬鉄道連接軍用鉄道計画を立案した.その計画とは,総延長415km(フルマラソンの約10倍!)を15ヶ月間(最終的には12ヶ月間)で開通させるというものであり,恐ろしいことに,その経路は伝染病地帯を横断していた.
約30万のアジア人労務者と約6万5千の連合軍捕虜が酷使され,「枕木の数だけ死者を出した」と形容されている「死の鉄道」なのである.
おそらくこの史実が今回の架橋作業やストーリーのヒントとなっていると想像できる.
そして,本ページ冒頭であえて「捕虜兵であったKINGは脱走」と書いたのは,つまりそういう意味である.

またカンチャナブリにはこの「死の鉄道」に関する「JEATH博物館」がある.JEATHとは「Japan,England,Australia,Thailand,Hollandの頭文字であるが,同時に「日本による死」という意味でもある.
女神JEHMと綴りが似ているのが気になる.JEATHが「日本による死」という意味なら,JEHMってどういう意味?(TEACH ME!)

4. クアイト・ゼロ
点検隊のチラシには「謎の存在QUIT-0が導く…」とあるが,これでは「クイット・ゼロ」ではないだろうか?(笑) よってこれは誤植で「QUITE-0」だと想像する(だいたいインタラの画面でも結構誤植/誤変換が多い.誰かチェックしてあげてよ…).
「QUITE」は副詞の「全く〜」という意味である。.
クアイト・ゼロは「完全にゼロ」「完全な無=悟り」とでも訳せばいいのだろうか?彼の正体はいずれ明らかにされるのだろうか…?

5. そして…
果たして,救済すべきは「倒れたKING」や「破損したWORLD CELL」だったのだろうか?もしかすると死んだ1万人の橋大工(の魂)を救済すべきではなかったのだろうか.そしてその答えはPHASE-6にあったのではないだろうか….





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