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ストーリー概要 この物語は、ある姉妹、ルビィとシトリンが森の中で「ZCON」を見つけるところから始まる。 「ZCON」とは、ある種の民の、認識、思考、想像力の連結をばらばらに寸断し、己の能力に気づかないようにする、 すなわち民を「都合の良い奴隷」に変えてしまう装置である。 なぜこのような、忌むべき装置が存在するのか、最初から説明しよう。 もともとここは、安寧とした世界だった。 人々は何処からともなく心に響く「デュンク」という旋律に「アン」という旋律を応答することで、デュンク・アンの均衡を作り、その元で美しく暮らしていた。 デュンク・アンの旋律は、人々を導く「BEACON」として認識されていた。 やがて、この世界には「アヨカヨ」と「アンバニ」という2種類の民がいる、という考えが生まれる。 アヨカヨとは優れた人間という意味であり、アンバニとは劣った人間という意味だ。これは事実ではなく、優れた人間を自称するアヨカヨの発明である。 アヨカヨは、アンバニを騙し、抑えつけ、考えを強要し、そして搾取し続けた。 奴隷のような生き方を強いて、なおその奴隷のような生涯さえ、意義深い人生とし、その痛みが勤勉という美徳の証であると信じさせたのだ。 本来、アンバニは「BEACON」に導かれ生きていたはずだった。 しかしアヨカヨは、アンバニの頭部に概念的な石「ZCONITE」を発生させ「ZCON」を使ってそれを制御した。 そうして「デュンク」は聞こえなくなり、応答である「アン」の旋律も止んでしまいた。 また「ZCONITE」は伝染し、遺伝するため、アンバニは奴隷として固定された。 長い間、自覚のない奴隷アンバニは抑圧、搾取され続け、これによりアヨカヨは栄華を極めた。 しかし、元来共存によって繁栄するように設計されている人間集団の原理によって、自浄作用の対象となり、アヨカヨは滅びた。 ただ、アヨカヨが自滅してもなお、アンバニの問題は解決しなかった。 アンバニの頭部には「ZCONITE」は存在し続け、アヨカヨが滅びたことも知らずZCONの番人を続ける男が居たからだ。 「ZCON」よって「ZCONITE」は制御され続けていた。 TimeLineの亀裂からじっと世界を覗く男が居た。彼の名はnGiap。 彼は20年前の世界から現代を覗き見ており、アヨカヨが滅びること、アンバニを解放しなければ自分の未来が無いことを知っていた。 nGiapはTimeLineの亀裂からZCONの番人へ近づき、「ZCON」を使ってアンバニを解放しようとした。 nGiapは、「ZCON」がアンバニを不幸にしたことをZCONの番人へ告げると、番人は悔恨の涙を流す。 彼は「ZCON」の仕組みをnGiapに伝え、nGiapが止めるのも聞かず「ZCON」の電源を切った。 番人は地面に倒れ、やがて天に召された。 「ZCON」が停止したため、アンバニの頭部に残る5つの「ZCONITE」は制御を失い、アンバニたちは多重人格に似た状態に陥った。 このままでは世界は混乱を極め、アンバニたちも滅びてしまいかねない。 nGiapは、「ZCON」を調べ、学びながら、誰かが「ZCON」の電源を入れる日を待ち続けていた。 アヨカヨが滅びて数十年が経ちアンバニたちが分裂症状のまま混乱を極めているある日、ある姉妹が森の中で小屋のような形をした「ZCON」を見つけた。 こうして、この物語は始まった。 姉妹が見つけた「ZCON」は古びた小さな小屋のように見えた。 妹のルビィが小屋の中のコンソールに触れると、大きな装置(ZCON)は電源が入り、起動した。 姉のシトリンには「ZCON」から炎が噴き出したように見え、閉じ込められた部屋から逃げ出そうと騒ぎだする。 それを冷静に、そして呆れるように見つめるルビィ。妹には炎は見えていない。 nGiapは姉妹に言う。「慌てるな。見えている炎は幻影だ。今見ているのは、昔、「ZCON」が停止する前にセットされていたプログラムが作り出しているものだ」と。 nGiapはアンバニを「ZCONITE」から解放し、「BEACON」の修復を試みようとしていると伝える。 そしてその作業を手伝ってもらえるよう、姉妹にお願いした。 ルビィ「あんた誰?」 シトリン「何言ってるかさっぱりわからない。逃げたいんだけど。」 nGiapは、別のTimeLineの少し過去に戻って「ZCON」の操作に必要な「天候技師」と「現実の改定評議会」を編成した。 2人の天候技師は、HAPRA次元数を使って悪天候に「不完全性」を投入し、「ZCONITE」の効果にノイズが生じている間に ライブラリーの特定書物内の表現を書き換える」ことで「ZCONITE」を消すことができるという。 そして、お手本として特定書物内の表現を書き換えると、シトリンを苦しめていた炎が消えた。 ネット上の天候技師たちにHAPRA次元数を回収させ、現実の改定評議会に書物内の書き換える表現を決めさせる。 そうすることで、アンバニから「ZCONITE」を取り除こうというのだ。 2人の天候技師は「まずは我々のボス、改定評議会の長を呼ぼう」と言い出した。 改定評議会の長、その名はヒラサワ。 なぜかジェット旅客機に乗っているルビィとシトリン。その飛行機は両エンジンから黒煙を吐き、今まさに墜落しようとしている。 天候技師がHAPRA次元数の設定に成功させ、天候エンジンのプロセスに投入し、「ZCONITE」にノイズが生じ始めたタイミングでリンクした書物の一文を書き換える。 すると「ZCONITE」が1つ消え、姉妹は落下するジェット旅客機の幻影から解放され、「ZCON」に戻っていた。 「生存は焚かれている。それは宇宙総動員による貴方という記憶の喚起によって灯る微かな炎が全ての明かりの源だと認めるときに起こる」と、ヒラサワは語る。 天候技師がHAPRA次元数の設定に成功させ、天候エンジンのプロセスに投入し、「ZCONITE」にノイズが生じ始めたタイミングでリンクした書物の一文を書き換える。 するとまた1つ、「ZCONITE」が消えた。 nGiapは今、過去からしか問題に取り組めない。それは、致命的な出来事が生じれば、彼の自由が利かなくなるからだ。 nGiapがなすべきことは、「ZCON」を破壊すること、ヒラサワを生存させること、空から落ちてくる男によってもたらされる亀裂を通ってここに来る事なのだ。 SLに乗っているルビィとシトリン。鉄橋が途切れており、列車は落下寸前で停止する。 外側から列車の中を覗き込む道化師。 道化師「わかるか…お前たち…お前たち?人称代名詞は正しく使わないとな、お前。そう。お前だよお前。」 ルビィ「お前?今、お前って言ったわよね?」 シトリン「失礼ね。私たちは2人よ。」 道化師「やぁ、ここに来る奴は皆そうだ。頭がイカれちまうんだよ。」 道化師「…それよりも見てみろよあいつ、見覚えねえか?」 そこにいたのは、崖を上るnGiap。 ついに線路から飛び出して、落下していく列車。鉄橋から落ちたはずの列車は、なぜか高層ビルの屋上から落下したように書き換えられ、 あわや地面へ衝突という寸前、落下地点にいた人影の目前で落下が止まった。 この者の名はΣ-12。 彼は姉妹に問う。「さあ、私にこのまま支えていて欲しいか?それともどうだ?それとも?そうだ、常に「それとも」を持ち歩け」 天候技師がHAPRA次元数の設定に成功させ、天候エンジンのプロセスに投入し、「ZCONITE」にノイズが生じ始めたタイミングでリンクした書物の一文を書き換える。 するとまた1つ、「ZCONITE」が消え、姉妹は落下する列車の幻影からも解放された。 今度は回転するトゥジャリットの中で、困惑する姉妹。 道化師「おい、いい加減にしろ。これが起こるのは別のルートだろう」 もうすぐ、アヨカヨがアンバニ飼育のために用意していたTimeLineが終了しようとしてる。 もし残り一つの「ZCONITE」を消去し、必要な記憶を得られなければアヨカヨの絶滅以降今までの出来事が永久にループされる。 最後の「ZCONITE」を消去し次のTimeLineへと移動しなければならない。 そこに、慈悲の涙を流す万民の「保護者」が現れる。 民を取り巻く悲劇の数々。その解決策を持って現れる救済の善行者として知られる者だ。 しかし、「保護者」こそがその悲劇を作った者なのだ。そのことを民は知らない。 この「保護者」こそが「ZCONITE」から生じる副次的な情緒の具現であり、民を喜んで隷属させるトリックなのだ。 ヒラサワは最後の「ZCONITE」の消去を試みる。 まず最初に「ZCONITE」を消去するための物理的キーをΣ-12に押させる。 それに必要なHAPRA次元数を天候技師たちが確定していればΣ-12はそれを解除できるはずなのだ。 デュンク4が聞こえた。しかし、最後の「ZCONITE」が消えない。 ヒラサワは、このデュンクに対応するアンの旋律を姉妹に奏でさせる。ルビィには色彩の息吹で、シトリンには透明なる声で。 デュンク・アンが成立すればそれは「BEACON」となり、最後の「ZCONITE」を消去できるのだ。 しかしアヨカヨは、いつの日か、何者かが「物理キー」と「BEACON」で、最後の「ZCONITE」の消去を試みるであろうことを想定していた。 その日のために「保護者」には、「BEACON」を吸収して消滅させてしまうプログラムが組まれていた。 このまま、デュンク・アンの旋律が「BEACON」となろうとも、「ZCONITE」を消去する前に、それはただ「保護者」に吸収されてしまうのだ。 しかし、ヒラサワは姉妹を騙していた。奏でさせていたのは「BEACON」ではなく、その逆の旋律だった。 「BEACON」が安寧と創造の旋律なら、この逆の旋律は怒りと破壊の旋律だ。 ヒラサワは、この時のために多くの時間を費やした。「保護者」の不意を突き、この逆の旋律を奏でるためだ。 ルビィとシトリンが奏でる、怒りと破壊の旋律は「ZCONITE」を消去するのではなく、「保護者」を倒すためのものだった。 そして、見事に姉妹の旋律は「保護者」を焼き払うのだった! そして、新たな旋律が心に響いてきた。 デュンクだ。今度こそ本当のデュンクだ。応答の旋律、アンを思い出しデュンク・アンを完成させてくれ。ルビィは色彩の息吹で、シトリンは透明なる声で。 デュンク・アンが成立した。正真正銘、本物のデュンク・アンだ。このデュンク・アンが「BEACON」となりアンバニを導くだろう。 アンバニが騙されウソによって描いた自己像と世界像が消え去る。さあ、このデュンク・アンが「BEACON」となって働き出すのだ。 全ての「ZCONITE」は消えた。アンバニたちは「アヨカヨの保護」と呼ばれていた呪縛から解放され自分の足で立ち自分の頭で考え自分たちの能力と価値に相応しい世界を作っていくだろう。 何かを思い出す姉妹。彼女たちは自分が誰だか気づいた。姉妹が同時に息を止める。そして再び息をする時、2人はnGiapに戻っていた。 なぜnGiapは過去からこの仕事をしていたのか。それは、姉妹がnGiap自身だったためだ。 そして、彼には残された仕事が二つある。1つは、二度と「ZCON」を使えなくすること。 空から落ちてくるAstro-Ho! 彼は手に持っている導線に火のついた爆弾をnGiapに渡し、nGiapはそれを「ZCON」に投げ込む。 「ZCON」は小屋ごと爆発し、「ZCON」という忌まわしい装置はこの世から消え去った。 そして、もう1つはヒラサワを存在させること。 もしヒラサワが存在しなければこのライブも存在しないからだ。 Astro-Ho!が落ちた衝撃によってできたTimeLineの亀裂に入っていくnGiap。アヨカヨが用意した忌まわしきTimeLineから抜け出し、解決済みであるTimeLineへと移動するのだ。 物語はこれでおしまい。 もう大丈夫。安寧な世界がかえってきた。 考察 1. CALL ヒラサワ インタラクティブライブZCON本編では、主人公の名として「ヒラサワ」という名称は全く出てこず「改定評議会の長」としか呼ばれていません。 本来、インタラは「CALL ヒラサワ!!」で始まるのです。ただ、ZCONが開催されたのは2022年3月。コロナ禍と呼ばれていた時期。 ライブハウスではなんとかライブを開催できるようにはなったものの、マスク着用、発声禁止とされているのが普通で、 今回のライブに関しては、オフィシャルサイトからも『(CALLに対しては) 従来の発声ではなく、拍手もしくはご自身の声を録音したものなどでご対応いただけますよう、お願い致します。』と記載されていました。 このため、冒頭の「CALL ヒラサワ!!」は「CALL!!」とだけ表示されていました。 本ページでは主人公の名を「ヒラサワ」と呼称しました。インタラの主人公の名は「ヒラサワ」と決まっているから。 2. ZCONITEは5つ 今回、ずっとモニョっていたのはZCONITEの数。特設サイトには5つと書いているし、スクリーン上も5つあるように映し出されています。 ただ、例えば最終日(GOOD ENDING)は、ライブ会場で3回の選択の度にZCONITEが消えていて、その後であと1つ、となってしまう。 つまり、ここまでで4つ消していないといけない…。 初日公演は0成功3失敗で3つ足りない、二日目昼公演では2成功1失敗で1つ足りない、二日目夜講公演では3成功0失敗で4つ足りている、と言われる。 とすると、やはりどこかで1つ消えていないと数が合わない。 アーカイブを見直して思うのは、最初に会人さんがお手本として書物を書き換え、シトリンに見えている炎の幻影を消すシーン。 あそこでは、HAPRA次元数を使っているし、書物を書き換えて、幻影を消しているので、手本とはいえ、最初のZCONITEを消しているとも考えられます。 ただ、初日にHOT POINT3では失敗のあと、なぜか1つZCONITEが消えるシーンが映ります。 そして、「たった1音か。何たることだ。デュンクの構成音が3つも足りない」と言われてしまう。 あの3失敗で、謎の1つZCONITEが消えるシーンは間違い、またはお手本の消去シーンの思い返し、ということで無理やり納得していますw 3. ルビィとシトリン 最初に書いておくけど、これは結論のない話w ルビィ(妹)とシトリン(姉)なら、普通は「シトリンとルビィ」と呼称すると思うのですだが、必ず「ルビィとシトリン」と妹から呼ばれるのは謎。 ちなみにシトリンは黄水晶と呼ばれる11月の誕生石。さらにちなみに言うと、折茂さんは6月生まれ。 4. アヨカヨはなぜ滅んだか 特設サイトによると、アヨカヨの滅んだ理由は下記の通りです。 (引用ここから) しかし、傲慢な者は重要な事を見落とすものです。 元来共存によって繁栄するように設計されている人間集団の原理に組み込まれた自浄作用を見落としていたのです。 誰かが誰かを理不尽な力によって搾取し、騙し、抑えつけ、考えを強要し、笑いものにするような反生命的な活動はやがて自浄作用の対象となり、アヨカヨたちは滅びました。 これこそ道理というものです。 (引用ここまで) ここから完全に私の妄想なんですけど、「自浄作用の対象となり…滅ぶ」ってなんでしょうね。我々の現実世界にはそういう道理はないじゃないですか。 これはもしかして「一定期間経験ログを確保すると,自身を死滅させ,有益な情報のみで新たな世界を作り出す」というWORLD CELLの死滅プログラムではないかと…。 5. 世界はお前のお漏らし Σ-12が登場するシーンで、下記のようなメッセージが流れます。 (引用ここから) 敵陣果てなし しかれど『領域』とは『お前とは誰なるや?』 なる問いの訳文なり そう叫ぶ声なき声を聞け 音なき旋律を聴け 世界はお前のお漏らしであると知るまで (引用ここまで) 会場で読んだときは「お漏らし」ってなんだよ、って一瞬思ったのですが、ハッとしたのはこの時に演奏している曲、「LEAK」なんです。 我々の日常会話ではリークと言うと、情報をリークする、みたいな使い方が多いと思いますが、元々は液体などが漏れる、という意味なんです。 なんで気付けたかというと、ひ組のトップページの右側に、正方形の画像があるじゃないですか。2010年に作ったきり、全く変えていないモノがw あの画像、例えばシマウマは「zebra.jpg」だったり、犬は「oyasumi.jpg」なわけで、一番下の蛇口の画像は「leak.jpg」なんです。 つまりお題があって、画像を選んでいるという…。あぁ、なんか余計なことを書いてしまったw Powered by Ruby 2.6.10 |